体系 |
民法 |
用語 |
保存行為 |
意味 |
保存行為とは、財産の価値を現状のままで維持する行為を言います。
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内容 |
①保存行為の意義
(a)保存行為は、財産の価値を現状の状態で維持する行為であり、管理行為の一種です。例えば家屋を修繕する行為が該当します。管理行為は処分行為に対する概念です。
(b)共有物の管理に関しては、共有者の持分の価値に従って多数決で決するのが原則ですが、保存行為に関しては、各共有者が単独で行うことができるとされています。
②保存行為の内容
発明の分野でいうと、特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者と共同でなければ特許出願をすることができず(特許法三八条)、共有に係る特許を受ける権利について審判を請求するときは、共有者の全員が共同してしなければならないとされていますが、特許権の設定登録後に共有特許権に係る共有者の一人が審決取消訴訟を単独で提起したことは、保存行為ですから、原告適格が認められるとした事例があります。
→保存行為のケーススタディ1
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留意点 |
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