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1146 特許出願手続遂行義務/進歩性/特許出願中 |
体系 |
権利内容 |
用語 |
特許出願の手続遂行義務 |
意味 |
特許出願中の発明についてライセンス契約が締結された場合には、ライセンシーからライセンシーに対して、特許を取得するように努力し、特許出願を取り下げないなどの義務が課されることがあります。
こうした義務を、特許出願の手続遂行義務と呼びます。
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内容 |
①特許出願の手続遂行義務の意義
(a)特許出願中の発明に関してライセンス契約を結ぶケースとしては、例えば次のような場合が考えられます。
・特許出願中の発明がノウハウの対象となっており、たとえ権利化されなかったとしてもノウハウとして活用が期待できる場合
・特許出願に対して特許権が付与されることを契約の有効条件とし、実施許諾者は特許権が付与された場合にのみ実施権を付与する義務を負う場合
・将来特許権が付与されることの期待の下に特許出願中の発明を実施することを含めてライセンスが設定される場合
(b)三番目のケースが多いと考えられますが、こうした場合には、その期待を実現するために、特許出願の手続遂行義務を契約書の条項として盛り込むことが行われます。
(c)特許出願の手続遂行義務の内容としては、例えば“特許を得られるように努力し、出願の取下げをしない。”旨を定めるのが通常です。
特許出願人の発明の新規性・進歩性を否定するような先行技術が後で発見される場合も想定されますが、少なくともライセンサーはライセンシーの同意を得ずに特許出願を取り下げるべきではありません。
②特許出願の手続遂行義務の内容
(a)この種の義務として、“ライセンサーは特許を得るべく努力する、特許出願の取り下げはしない。”旨を契約条項として定めておきながら、特許出願について出願審査請求をしなかったために、争いとなった事例があります。
→特許出願の手続遂行義務のケーススタディ(植物標本事件)
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留意点 |
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