体系 |
民法 |
用語 |
債務の本旨 |
意味 |
債務の本旨とは、債務の本来の目的を言います。
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内容 |
①債務の本旨の意義
(a)“債務の履行は債務の本旨に従って行わなければならず、それに従わないときには債務不履行となる”(民法415条)というのが法律の立場です。
(b)債務の本旨は、債務の時・場所・内容を形式的に判断するのではなく、債務の終局的な目的を考え、契約慣習を考慮し、信義誠実の原則に従って解釈されなければなりません。
②債務の本旨の内容
(a)前述の通り、債権の本旨は、形式的に判断するべきではなく、債務の終局的な目的を考慮して判断しなければなりません。
特許出願中の発明のライセンス契約に関して、契約締結後に実用的な実施が困難である場合には、債務不履行の問題となる可能性があります。
→制限種類債権のケーススタディ
(b)しかしながら、前述の“債務の終局的目的”と一方の当事者の単なる期待とは区別されなければなりません。
例えば特許出願中の発明のライセンス契約に関して、ライセンシーは将来的には特許権の保護の下で安定的に実施できることを期待するのが通常です。
しかしながら、契約書中に“特許出願が特許になる”ことを保証する条項でもない限り、特許出願人が事前に認識していなかった拒絶理由の存在を理由として債務不履行とは判断されにくいと言えます。
何故なら、特許出願に係る発明の新規性や進歩性の判断において、世界中の公知技術に基づいて判断するべきという基準(世界主義)が採用されているため、拒絶理由を把握することが困難だからです。
→原始的不能のケーススタディ
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留意点 |
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