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@行為能力の意義
(a)私的自治の原則によれば、権利・義務の主体は、その意思に基づく場合に限って、発生・変更させることができます。
(b)したがって、法律関係が有効に成立するには、法律行為を為す者が意思能力(権利義務の主体となるに足る意思を持ちうること)が必要です(→意思能力とは)。
例えば権利者が幼児であれば、一般的には自己の権利を主張できないため、その法律行為は有効に成立しません。
(c)しかしながら、それでは何歳から意思能力を有するのかといえば、個人により成長の度合いが異なるために簡単には判断できません。このため、意思能力だけを基準とすると、そうした弱い立場にあるものが不測の不利益を被る可能性があります。
(d)そこで民法は、意思能力の有無が法律行為ごとに個別的に判断されることから生じる不都合を回避し、判断能力が不十分と考えられる者を保護するため、あらかじめ年齢や審判の有無という形式的基準により行為能力の有無を定めました。
(e)この行為能力が制限された者を制限行為能力者といい、個別の事情により未成年者、成年被後見人、被保佐人、同意権付与の審判を受けた被補助人に類型化されます(20条)。
A行為能力の内容
(a)前述の行為能力は、特許法上の手続能力に対応するものです。
すなわち、特許法第7条は、未成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、特許出願その他の手続をすることができない旨を定めています。
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