内容 |
①コア技術の意義
(a)製造メーカーが製品開発を継続的に行い、例えば自社製品に対する消費者の声をすくい上げて次の製品に機能を追加したり、或いは現在の製品群の欠点を洗い出して改善したりということを繰り返すうちに、製品開発に用いられる技術要素も次第に内容の濃いものとなり、その会社の事業を支える技術力(基盤技術)が培われます。
(b)そうした技術力のうちで、特に、他社との競争を戦い抜くための決め手となるような競争優位性のある技術をコア技術ということがあります。
(c)自社の技術の中からコア技術を洗い出してこれを強化することは、製品開発上において、とても重要です。
②コア技術の内容
(a)コア技術を見定めて、限られた予算の中から、その分野に研究資金を回し、得られた技術的成果を特許出願して独占権を取得し、市場のシェア率を高めるとともに発明の独占的実施により投資資金を回収することにより、効率的に事業活動を展開することができます。
(b)コア技術を見定める方法としては、自社内の評価と、ユーザーの評価や業界内の評価)とを分けて、客観的に観ることが必要です。
自社の技術開発陣が或る技術を得意とすると考えていても、その技術とは別の技術を同社の強みと他人(ユーザーなど)が評価している場合があるからです。
(c)またコア技術を見定めるときには、将来に亘って継続的に競争優位性を発揮できるかどうかも検討する必要があります。将来性が乏しいものに資金(研究開発費や特許出願の経費など)を投入しても、その資金を回収できないリスクがあるからです。
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