体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
Summary of the Inventionとは(特許出願の) |
意味 |
Summary of the
Invention(発明のサマリー)とは、米国特許出願の明細書において、発明の本質的な事柄を特許出願人が開示するための項目です。
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内容 |
@Summary of the Inventionの意義
(a)米国特許出願の明細書では、Background of the Invention(発明の背景)→Summary of the
Invention→Detail Description of the Invention
(発明の詳細な説明)という順序で特許出願人の発明が説明されます。
(b)発明の背景では、所定の分野で従来どういう技術が存在しており、どういう問題点があったのか、発明のサマリーではその問題点を解決するために特許出願人がどういう工夫をしたのか、発明の詳細な説明では、その工夫のうちの最も良いと特許出願人が考える形態を含めて発明の具体的な内容をそれぞれ説明します。
(c)すなわち、発明のサマリーでは、課題を解決するための事項(発明の構成)を簡潔に書きます。
“簡潔”に書くというのは、発明の概要を大雑把に書けば良いということではありません。特許出願人が自らのアイディアに不可欠な本質的事項を厳選して書くということです。
例えば発明の利点を発明のサマリーに書くときに、発明の良さを強調しようとするあまり、本質的な利点と重要でない副次的利点(例えば体裁が良いなど)を並列的に記載することは、推奨できません。
後日権利範囲に関して限定的な解釈をされる可能性があるからです。
ASummary of the Inventionの内容
(a)特許出願に対して特許権が付与されたのち、そのクレーム解釈は、通常、明細書を踏まえて(in the light of
specification)行われます。その際には、発明のサマリーの記載と発明の最良の実施形態の記載では重みが異なります。
(b)ある通信システム中のクレーム中にデータAとBとをMupliplexing(多重化)して送信するということが記載されていたとします。多重化というのは一つの通信ラインで複数の種類のデータを送信することであり、それ以上の意味はないのですが、特許出願人が発明のサマリーの欄で、その用語は、AとBとの送信中の時間割り当てをダイナミックに変化させることをいう(Dynamic
Mupliplexing)という旨のことを記載すれば、その意味に限定解釈されますし、さらに音声データAをそれ以外のデータBに優先することで一定の技術的効果が奏されると記載すれば、さらに用語の意味は限定的になります。
これに対して、その旨の記載を発明の詳細な説明に記載しても、特別の事情(特許出願の審査において当該効果を先行技術との相違点として主張し、禁反言の原則が適用されるなど)がない限り、限定解釈はされません。
単なる好ましい実施例(preferred embodiment)に過ぎないからです。 →{Detail Description
of the Inventionとは(特許出願の)}
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留意点 |
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