| 内容 |
①攻撃防御方法の意義
（a）裁判は、原告側が攻撃的申立をし、これに対して被告側の申立を返して、これら本案申立を審理して、紛争を決着するものです。
（b）一切の陳述とは、法律上の陳述及び事実上の陳述の双方を含みます。
・法律上の陳述とは、具体的な権利・法律関係の存否に関する陳述です。
例えば先使用権（特許出願前に自ら発明した者又はその人物から知得した者が特許出願前に実施又はその準備をしていた場合に発生する抗弁権）の確認を求める訴訟において、被告が原告の先使用権の存在を否定する旨の陳述が該当します。
・事実上の陳述とは、外界の事象や内心の出来事の認識・判別を報告することです。
例えば前述の先使用権の確認訴訟であれば、原告が特許出願前の実施の証拠を提出することが該当します。
②攻撃防御方法の内容
（a）防御方法の中で、単なる否認ではなく、相手がたの主張を排除するために別個の主張をすることを抗弁と言います（→抗弁とは）。
・無効理由の存在に基づく権利濫用の抗弁
特許出願前に公知であった発明又はこれから容易に発明できた発明に関して特許権が付与された場合に、この特許権を行使することは権利濫用であるとする抗弁です。
・禁反言の法理による抗弁
これは、特許出願人の陳述（意見書での釈明）や特許請求の範囲・明細書の補正のような特許出願中の手続により、発明の一部が意図的に権利範囲から除外されたことにより特許権が成立した場合に、除外された一部が技術的範囲に含まれると特許権者が主張することは許されないと言う抗弁です。
（b）裁判所は、当事者の攻撃防御方法が時期に遅れたものであるときには、これを却下することができます。
→時期に遅れた攻撃防御方法とは
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