内容 |
@終局判決の意義
(a)終局判決は、事件の処理をその審級として完結させる判決を言います。 不服申し立ての手段が残されているか否かを問いません。
(b)終局判決は、中間判決に対する概念です。 →中間判決とは
A終局判決の内容
(a)終局判決には、既判力が発生します。
(b)本案について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、同一の訴えを提起することができません(民事訴訟法第第262条第2項)。
(c)裁判所としては、ある事件について終局判決する場合に、請求の全部について判決をする積りでいながら、一部について判決をしてしまうことがあります(裁判の脱漏)。この脱漏部分について後にされる判決を追加判決といいます(→追加判決)。
(d)しかしながら、甲・乙・丙が当事者である三面訴訟において、甲・乙の間で終局判決を出し、残る丙の請求に関して追加判決を出すというようなことは許されません。
例えばA社からB社へ転職した技術者XがB社を退職した直後に特許出願して取得した特許権に関して、B社が“Bは職務発明の法定通常実施権を有する”旨の確認を求めて訴訟を提起し、
その訴訟中にXの過去の勤務先であるA社が“Aは職務発明の法定通常実施権を有する”旨の確認を求めて、独立当事者参加の申請をするという事例がありました(平成4年(ネ)第867号)。裁判所は、AとXとの間の和解(Aに通常実施権が存在することを前提とするもの)を認め、それと無関係にBとXとの間に関しては、Bの請求に関しては通常実施権の存在を認める確認判決を出しましたが、この判決は控訴審で覆されました。法定通常実施権は、Aが有するのかBが有するのかの択一的選択となるはずだからです。
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