内容 |
①催告の意義
(a)催告は、相手に対して一定の行為を求める行為です。
例えば、職務発明をした者が、会社に対して、特許出願をする権利(特許を受ける権利)を譲渡したときにその対価の支払いを求めるというごとくです。
(b)日常用語として、催告に類似する概念にとして、“催促”や“督促”があります。
しかしながら、“督促状”というのは、“貴方は△△の代金の支払いが済んでいませんので、お支払いをお願いします。”というように、事実関係を相手に認識させ、行為を促すことが目的です。
(c)これに対して、“催告書”は、“△年△月△日までに支払いがないと法的措置をとります。”というように次の段階を予告するような内容になることが通常です。
(d)催告は、相手方が請求に応じないときに法律上の効果を生ずる場合が通常であり、こうした場合に法律上の問題が生じます。
(d)催告の態様として、次のものがあります。
・義務者に対して義務の履行を催告すること。
その効果として、時効の中断などが考えられます。
・権利者に対して権利の行使または申出をするように催告すること
その効果として、権利の全部又は一部の消滅、義務の軽減などが考えられます。
②催告の内容
(a)特許侵害の場合には、過去の特許侵害行為に関して、
(イ)不法行為(被告が製造・販売する製品が原告の有する特許権を侵害したこと)により原告に対して所定期間に生じた損害を支払え、
(ロ)上記損害額に対する、不法行為後の日であって本件訴状送達より催告された日の翌日から支払い済まで所定の年5分の割合による遅延損害金を支払え
という請求がなされることがあります。
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