体系 |
特許出願の審査 |
用語 |
特許出願の実体審査 |
意味 |
特許出願の実体審査とは、出願内容に照らして、法律の目的に照らして特許すべき価値があるかどうか、あるいは、特許出願人が権利を付与される資格を有するかどうかという観点から行われる審査です。
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内容 |
①前述の方式審査が特許出願の様式上の問題を審査するのに対して、実体審査は、主として技術の進歩を通じて産業の発達を図る法目的に寄与するかどうかという観点から行われます。具体的には新規性・進歩性の有無などが審査されます。言い換えれば、著作権法などと異なり、特許法では、保護対象である発明のうち一部のもののみが保護されるのです。実施者が特許発明を模倣したかどうかを問わずに絶対的な独占排他的効力が及ぶ特許権の性質上、陳腐な技術などに特許権に付与されると、却って産業の発達を妨げるからです。
②実体審査は、後述の審査請求により開始されます。
特許出願人にとってみれば、役所に支払う審査費用を、特許出願の日から3年間(審査請求期間)のいずれかに支払えばよく、資金繰りをやりやすいととともに、発明品の事業化の進行具合や出願後の特許調査の結果をふまえて審査を行うかどうかを決めることができるというメリットがあります。
③実体審査は、法律によって定められた要件(拒絶理由)に関して行われます。 →特許出願の拒絶理由とは
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留意点 |
実体審査にどれだけ時間がかかるのかということが問題となりますが、審査着手から特許になるまで平均29ケ月を要しています(2014年3月現在)。技術分野にもよりますが、1年間以上かかります。特許としての権利化を早期に図りたいというご要望に応えるために、早期審査制度などが設けられています。
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