インターネット取引と特許評価
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特許出願/特許調査/特許評価 |
今年9月16日にOECD(経済協力開発機構)が、国境を越えたインターネット取引への課税手法を打ち出す報告書を示しました。海外に拠点を持つ企業に対して適正に課税を行うためです。しかしながら、今、こうした特許等の評価をすることが難しいという企業の声が上がっています。特許評価の特殊性を考えると、それも当然のことに思えます。 一般に、特許等の評価に必要な視点としては、技術的要因(技術の汎用性や代替技術の有無など)、法的要因(権利の範囲、残余の存続期間、権利の有効性)、経済的要因(製品化までの期間や売上予想・製造コスト)があると言われています。 さらに評価手法の概要としては、特許等の知的財産の取得に要したコスト等で算定するコストアプローチ、類似の特許等が市場でどの程度の値段で取引されるかを調べ、そこから取引価格を類推するマーケットアプローチ、対象特許を含む事業が将来生み出す価値を 評価するインカムアプローチがあるとされています。 上述の報告書において、ブランド権や特許などの知的財産の評価額は、知財が生み出すと予想される収益を基準として適切な価格を算定することが求めているとのことです。 弁理士の職務との関連で上述の視点を見ると、技術的要因については、特許出願のために明細書を作成する段階で当該技術はクライアントの事業にとってどういう位置づけかということは判るでしょうし、法的要因についても、例えば権利の有効性などを確認するために特許調査するというのであれば、通常の業務です。しかしながら、経済的要因については専門外です。経済の専門家と協力して特許等の評価を進めることになると思いますが、そうであっても協力者の考え方を理解できる程度に特許評価の全体像を知らなければならないでしょう。今後、特許評価の需要が増えるとすれば、特許評価に詳しい弁理士が必要とされるのかも知れません。 |
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