特許出願料及び特許料の値下げ |
特許出願料・特許料/審査請求・進歩性/特許出願 |
本年11月16日の新聞の記事において特許庁が特許出願料を1000円程度、また特許料を1割程度値下げすることを検討しているという報道がありました。 その狙いは政府として料金の値下げにより特許出願を奨励し、特許権の取得を後押しすることにあるということです。日本の特許出願件数は年間32万件で世界3位。中国の1位の82万件に比べると大きく差を付けられています。 もっとも特許出願をしようとする方と直接かかわる特許事務所の立場からすると、特許出願料の値下げはありがたいのですが、出願審査手数料(新規性・進歩性等の実体審査を行うための料金)の軽減も検討して頂きたいと思うのです。現在1万5000円である特許出願料のうちの1000円を値下げするというと大きい割合のように感じます。しかしながら、特許権を取得するためには、新規性・進歩性等の実体審査を受けなければならず、出願審査の請求には十数万円もかかります。そうなると、1000円程度値下げしても、それほど特許出願の奨励に寄与する程度の割安感は感じられません。もちろん進歩性等の審査には、その前提として先行技術の特許調査もしなければならず、コストがかかるということは判ります。しかしながら、企業のコスト削減の要請は強いものがあります。例えば特許相談の現場において、従来であれば2件分の特許出願をするだけのアイディアが出ても、将来の分割出願の可能性を残しながら、一つの特許出願にまとめましょうというということをしています。これではなかなか特許出願の件数は増えません。 我が国の国際競争力の向上のためには、より一層の政策が期待されます。 |
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