職務発明の帰属と発明の評価 |
職務発明の帰属/進歩性・特許出願 |
特許庁が11月19日に開いた有識者会議で、企業の従業者(研究者等)が職務として行った発明について特許を受ける権利が企業に属するものとするという方針が決まったという報道がありました。これまでの我国の特許法は、一貫して特許を受ける権利(特許出願をして特許権を取得する権利)は、原始的に発明者に帰属すると定めていましたので、これは大きな方向転換であります。仕事として発明をするときには、企業の方針により技術研究を行い、それにより報酬を受けている訳ですので、こうした法律改正もやむを得ない面があります。 しかしながら、この改正で心配されるのは、発明をすることに対する研究者の意欲に水を差しはしないかということです。発明は技術的思想の創作でありますから、その価値は表面的にはなかなか計りにくい面があります。例えば単純に特許出願に至る発明をした件数によって研究者の評価が決まるとすれば、本当に技術的価値の高い発明は生まれなくなる可能性はないのでしょうか? 今日は、特許の価値の評価ということが注目を集めています。例えば技術的な価値からいうと、後願の特許出願の審査において、進歩性を否定する根拠として引用された回数が多いほど重要な特許として評価するという方法もあります。いろいろな手法を検討しながら、発明奨励の手立てを考えることが重要と思います。 |
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