立体商標と商標調査
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特許調査と商標調査/特許出願・進歩性 |
少し前のことになりますが、7月13日の新聞記事で、ホンダの小型二輪車「スーパーカブ」が立体商標として登録査定されたという報道がありました。 物品の立体的形状そのものでも、自らの商品を他人の商品と識別する機能(自他商品識別力)を発揮すれば、立体商標として登録される可能性があります。しかしながら、自他商品識別力を有することの証明は簡単ではなく、これまでに認められた立体商標の登録例は、ケンタッキーフライドチキンのカーネルサンダー像やコカ・コーラの瓶、不二家のペコちゃん人形など、少数にとどまります。工業製品である小型二輪車の形状に商標登録が認められるというのは大変なことです。 報道によると、「スーパーカブ」が如何に人々に認識されているかを示す資料を大量に集めたのだそうです。やはりこういうことは証拠がものを言います。 それにしても、こうした工業製品にまで立体商標が認められるとなると、知財の実務家としても認識を改める必要があります。これまで“この技術が権利侵害になるかどうか。”と特許相談を受けたときに、特許調査をしてその技術が既存のもので特許が切れているようなものであれば、改良特許が取得されていない限り、まず大丈夫と答えることができました。仮にそうした技術について誰かが特許出願をしても、新規性や進歩性をクリアできないからです。しかしながら、既存の技術でも商標的な性質を帯びているものであれば、さらに商標調査して立体商標の登録の可能性も考えなければいけないということです。世の中の変化の早さには驚かされるばかりです。 |
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