拒絶理由通知の簡易表記でより分かり易く
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特許出願/進歩性/拒絶理由通知 |
平成27年4月から拒絶理由通知の様式が変わる、という通知が特許庁から届きました。 拒絶理由通知の冒頭の拒絶理由の簡易表記を記載して内外の特許出願人に、拒絶理由の内容を一見して分かるようにするというのです。従来は、例えば特許法第29条第2項に違反しているので、特許を受けることができないという旨だけを記載していたところを、(進歩性)と冒頭に記載して分かり易くしようというものです。 →拒絶理由通知の様式 そもそも「進歩性」という言葉が分からないよ、という方には、申し訳ありません。インターネット上で検索して頂ければ一応の意味は分かると思います。手前味噌ですが、私のHPで特許申請者の用語集のコーナーを設けておりますので、そちらもご利用下さい。 いずれにせよ、この試みは、国外の特許出願人には有用だと思います。主要な特許要件の概念はどこの国でも大抵共通している(但し、厳密に内容は各国毎に独立です)ので、我が国の特許要件を英訳すれば大抵外国人に伝わります。機械翻訳をしても容易にわかるでしょう。しかし、特許法第○条という形にしてしまうと、途端に分り難くなるので、相手にとってはストレスが溜まります。 分り難いものと言えば、ここだけの話、日本の特許法ほど分り難い法律はないのではないかと思っています。特に新しい規定はやたら構成が複雑で、例えばかっこ書きという厄介なものがある。これは、○○(△△(□□を除く)を除く)というような表現形式で、受験生時代にはこれを見る度に泣きたくなったものです。 もっとも、弁理士も書く明細書も判り難いという批判を頂戴することもあります。特に世の中には訴訟を念頭において過剰に曖昧に記載した明細書に見受けられます。しかしながら、徒に侵害訴訟にコストをかかり、そこにはある程度の節度というのが必要だと思っています。アイディアをどう整理して強い権利を作るか、一人よがりにならずに素直に表現できるか、文章から無駄をそぎ取ることができるか。 明細書を書くのはどこまでいっても難しい仕事です。 |
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