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①特許出願の手続の中断の意義
特許出願の手続は、審査官や審判官が過剰な仕事を抱え込むことにより、事実上停滞することがあります。
これとは異なり、特許出願人の利益を保護するために、法律的に手続を進行できないことを手続の停止といいます(→手続の停止とは)。
“中断”は停止の一種です。
②特許出願の手続の中断の内容
(a)特許出願人が死亡などにより交代するときには、手続は中断します。
(b)例えば新規性や進歩性の欠如を理由として拒絶理由通知が出される際に、意見書を提出する期間が指定されますが、その期間内に特許出願人が死亡したときには、その期間の進行は停止します。
そうしないと、新たに特許出願人となる者の利益を害するからです。
(c)中断された特許出願の手続は、受継により再開します。
(d)特許出願の審査や審判の手続が中断して、手続を受け継ぐべき者が受継を怠っているときには、特許庁長官または審判官は、その者に対して、当該特許出願の手続を受継することを命じなければならないとされています。
いつまでも特許出願の手続が停滞したままであると、特許庁の事務処理の円滑な遂行を妨げるからです。
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