内容 |
@法定期間の意義
(a)法定期間とは、特許法又はこれに基づく規定(特許法施行令・施行規則)により期間の長さが定められている期間を言います。
→特許法施行令とは
(b)特許法などでは、さまざまな期間が定められています。このうちで当該期間が置かれた規定の性質上からその期間の長さを予め設定することが必要であると立法者或いは行政が考える期間は、法定期間として規定されます。
例えば特許出願に対して出願審査請求をする期間(特許法第48条の3)の如くです。この期間があまりに短すぎると、特許出願の価値を見極め、先願の出願公開の様子や社会のニーズに応じて権利化することが不要である特許出願に関しては、審査請求をしないことで特許庁の審査労力を軽減するという立法趣旨が達成されないからです。
これに対して、特許庁長官・審判官・審査官などが長さを指定する期間を、指定期間と言います。 →指定期間とは
(c)法定期間のうち手続をするための期間に関しては、初日不算入の原則が適用されます(特許法第3条第1項1号)。
→初日不算入の原則とは
A法定期間の内容
(a)手続をするための期間でないもの
例えば特許権の存続期間が該当します。
特許権の存続期間は、特許出願の日から20年間です(特許法第67条)。
(b)手続をするための期間であるもの
・まず前述の出願審査請求期間が該当します。
この期間は、原則として特許出願の日から3年間です。
但し、分割出願の場合には、当該期間を超えた場合でも例外的に出願審査請求が認められる期間が設定されています。
・また新規性を喪失の例外の適用を主張して特許出願をできる期間も法定期間です。
期間が長すぎると、公開された発明は特許を受けることができないという新規性の原則が有名無実となり、社会を不安定とするからです。
この期間は、特許出願の日から6か月です。
この期間のことをグレースピリオド(猶予期間)ということもあります。
・国内優先権を主張して特許出願をできる期間も法定期間です(特許法41条)。
パリ条約4条の優先権と同様の期間とするためです。
この期間は、特許出願の日から1年です。
|