体系 |
審判など |
用語 |
忌避 |
意味 |
審判官の忌避とは、審判官について審判の公正を妨げる事情があるときに、当事者又は参加人の申立により、審判の職務の執行から排除されることを言います。
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内容 |
@審判官は、事件又は事件の当事者等と特別の関係にあるときには除斥されます。しかしながら、審判官が法定の事由に該当しなくても公正を妨げる事情があるときには、特許出願人などの当事者又は参加人は忌避の制度を利用して当該審判官を排除することができます。
A例えば拒絶査定不服審判の審判官が、個人的な事情により特許出願人と敵対関係にあるような場合には審判官を忌避の申立ができます。但し、当該特許出願人が事件について当該審判官に対して、書面又は口頭で陳述した後には、忌避できません。特許出願人などはその審判官を信頼したと考えられるからです。
B同様に、特許無効審判の審判官が特許権者と経済的な利害関係を持っている場合にも、審判請求人は審判官を忌避できます。
Cこれに対して、忌避が認められなかった事例として、“特許出願の審査と実用新案登録出願の審査の手続は互いに別個独立のものであるから、特許出願を実用新案登録出願に変更した場合、当初の特許出願に関与した審査官が実用新案登録出願の拒絶査定に対する審判の関与から除外される理由はない”とされた裁判例があります。
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留意点 |
当事者が審判官に対して陳述をした後に忌避の原因が生じたときには、陳述をしていても忌避の申立ができます。
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