体系 |
審判など |
用語 |
一事不再理の原則 |
意味 |
特許法上の一事不再理の原則とは、特許無効審判又は延長登録無効審判の審決が確定したときには、当事者及び参加人は、同一の事実及び同一の証拠に基づいて審判を請求できないことです。
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内容 |
@特許無効審判等は、競業者に対する特許権者の攻撃に対する防御手段であり、例えば特許出願の実体的要件(新規性・進歩性など)を欠いている場合、特許無効審判を請求して特許権を遡及的に消滅させることができます。しかしながら無効審判の請求に対して棄却審決が確定した後に、相手方が同じ理由を同じ証拠で無効審判を請求すると、紛争の蒸し返しとなり、また審決相互が矛盾する可能性もあります。そこで本原則が採用されました。
A本原則が適用されるのは、審決が確定した特許無効審判等の「当事者又は参加人」です。これらの者は、先の審判で主張を尽くすことができたはずだからです。なお、平成23年の改正で本原則の効果を第三者に及ぼすこと(第三者効)を削除しました。
C「同一の証拠」とは、同一性を有する証拠と解されます。例えば進歩性違反の事実を別々の刊行物で単に表現を変えて記載しているに過ぎない場合には一事不再理効が及びます。
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留意点 |
本原則は民事訴訟上の既判力に倣った概念です。刑法の一事不再理とは別のものと解釈されます。
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