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1175 用益物権とは/特許権/特許ライセンス |
体系 |
法律全般 |
用語 |
用益物権 |
意味 |
用益物権とは、他人の土地を一定の目的のために使用収益する物権を言います。
用益物権は、知財の分野で、専用実施権の性質を説明するために引き合いに出されることが多く、そのことを念頭に解説します。
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内容 |
①用益物権の意義
(a)用益物権は、制限物権の一種であり、所有権に対立する概念です。
制限物権には、用益物権の他に担保物権があります。
(b)民法上、用益物権に該当するものは、地上権、永小作権、地役権、入会権です。
(c)また用益物権に類似するものとして、採石権、鉱業権、漁業権などがあります。
②用益物権と専用実施権との関係
用益物権と専用実施権とは別の概念ですが、訴訟当事者は、しばしば用益物権を引き合いに出して、専用実施権の規定を解釈しようとします。
平成15年(ネ)第1223号は、全範囲に専用実施権を設定した特許権者が第三者の侵害行為に対して差止請求権を行使できるのかが論点となりましたが、このとき当事者である特許権者は次のように主張しました。
“ 特許権者が専用実施権を設定する関係は、所有権者が用益物権を設定する関係に等しく、用益物権を設定した所有権者が物上請求権を失わないのと同様に、専用実施権を設定した特許権者は、設定した専用実施権の範囲についても、自ら実施することができないだけで、なお差止請求権を有すると解すべきである。”
この件では、結局裁判所は特許権者による差止請求を認めています。 →専用実施権のケーススタディ1
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留意点 |
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