| 内容 |
①デューデリジェンスの意義
（a）デューデリジェンスとは、もともとは不動産投資や企業買収（Ｍ＆Ａ）に関する用語において、当該企業の資産価値を適正に評価するための手続を有します。
（b）特許権や特許出願をする権利（特許を受ける権利）は財産権であり、従って一企業が保有する特許権や特許出願は、デューデリジェンスの対象となります。
それら特許権及び特許出願を保有する企業全体を買収する場合はもちろんとして、企業の資産の一部として特許権や特許出願の一部又は全部を購入する場合にも、それらの資産としての正しい評価を行う手続は必要となります。
②デューデリジェンスの内容
（a）特許権や特許出願は、不動産などの資産に比較して、評価が難しい面があります。
（b）特許権の場合、特許出願前の公知技術が判明することにより、新規性や進歩性が否定され、特許が無効となることにより、資産価値が零になってしまう可能性があります。
（c）また特許出願の場合には、審査手続の中で拒絶理由（新規性や進歩性の欠如など）が発見され、拒絶査定が確定する可能性があるため、特許権よりもさらに資産としては不安定であるということができます。
（d）企業資産の評価手続として何百、何千の特許権（又は特許出願）の価値を評価する際には、その全ての評価をすることは困難であるとしても、特に実施化が期待されるような重要な特許権・特許出願に関しては、新規性・進歩性に関する特許調査を行うことが需要であると考えられます。
（e）又、特許権の場合には、専用実施権の設定・通常実施権の許諾が行われている場合があり、特許出願の場合には、仮専用実施権の設定・仮通常実施権の許諾が行われている場合があります。
こうした事柄の有無に関しても評価手続の項目に加えるべきであると考えられます。
→通常実施権の当然対抗の必要性
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