パテントに関する専門用語
  

 No:  1305   

アピール/特許出願(外国)

 
体系 外国の特許法・特許制度
用語

アピール(appeal)

意味  アピール(Appeal) とは、下級裁判所の判決を見直すために上級裁判所に挙げるための法的手続です。



内容 ①アピールの意義

(a)連邦裁判所のトライアルコートで負けた側の当事者は、トライアルコートの判決を連邦控訴裁判所に訴える資格を有します。

 The losing party in a decision by a trial court in the federal courts normally is entitled to appeal the decision to a federal court of appeals. (uscourts.gov)

(b)控訴は、判決が地方裁判所の正式記録に記入された日(Entry of Judgement)から所定の期間内に当該地方裁判所の書記官に控訴通知(Notice of Appeal)を提出することにより行います。

(c)米国の裁判所HPでは、アメリカでは連邦控訴裁判所の審理が事実上の終審(final)であると説明されています。



制度上は、控訴裁判所の上に最高裁判所があり、前者の判決に対して"a petition for a writ of certiorari"(誓願書)を提出して、最高裁判所の判断を求めることができます。

 しかしながら、日本の最高裁判所と異なり、米国の最高裁判所が誓願に応じて審理に入ることは稀です。裁判所での審理は当然の権利でなく、国民全体の利害に関わる争点を含む事件に限定されるからです。このため、辞書上の定義とは別に、“appeal”というと、トライアルコートの判決に対して控訴裁判所に訴えること(日本でいう控訴)を指すのが通常です。

 特に特許事件は、或る特許権の侵害であるとか、特定の発明者による特許出願の拒否の是非であるとか、個人的な利益に関わることが多いため、最高裁判所で審理されることはあまりありません。

②アピールの内容

 特許事件に関する控訴審として、1982年にこの種の事件を統括的に扱う連邦巡回裁判所が発足しました。

 同裁判所に対してアピールする対象には、特許侵害事件の地方裁判所の判決の他に、特許出願に対する特許商標庁の審判部の拒絶の決定が含まれます。

 特許発明の技術的解釈にせよ、特許出願の許可の要件(特許要件)にせよ、内容が技術的かつ特殊であるため、専門の機関に任せることが良いと考えられたからです。



留意点

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