No: |
1454 コラテラル・エストッペル(2次的禁反言)/特許出願 |
体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
コラテラル・エストッペル(2次的禁反言) |
意味 |
コラテラル・エストッペル(2次的禁反言)とは、米国において、同じ当事者を含むケースにおける有効な判決により既に決定された事実上又は法律上の論点についての議論を蒸し返すことを禁止するという原則です。
|
内容 |
@コラテラル・エストッペル(2次的禁反言)の意義
(a)コラテラル(collateral)とは、2次的、傍系のという意味です。
(イ)例えば甲と乙との間の裁判(前訴)に対して、同じ甲・乙間の後訴を1次的・直系的なもの、当事者の一方が異なる甲・丙間の後訴を2次的・傍系的なものと考えると、前訴で裁判所が判断したことの効力が傍系的な裁判にまで及ぶという意味です。
(ロ)民事訴訟において、当事者同士の争い事に裁判所の判断である判決が出されると、既判力(Res
judicata)が生じ、判決の結論に関して当事者は再び争うことができません。
(ハ)しかしながら、米国では、これとは別に、コラテラル・エストッペル(collateral
estoppel)という原則があり、当事者の一方が前訴で争点となった事柄に関して、後訴において再び争点とすることは禁じられます。
この原則は、判決主文に限らず、判決理由中の判断に対しても適用されます。
(b)コラテラル・エストッペルは、判決による禁反言(estoppel by judgement)とも呼ばれます。
(c)日本では、コラテラル・エストッペルに類似する概念として、争点効という用語があります。前訴(民事訴訟)の争点として当事者が主張しかつ裁判所が審理して判断を下した事柄について、後訴の当事者・裁判所を拘束するというものです。
しかしながら、日本では、判例上は、争点効は認められていません(→争点効とは)。
Aコラテラル・エストッペル(2次的禁反言)の内容
(a)米国では、例えば、特許侵害訴訟において、特許侵害が成立しない理由として、特許の有効性が判断された場合に、コラテラル・エストッペルが適用されます。
例えば特許出願前に公開された先行技術から、特許発明が自明であるか否かを判断したような場合です。 →コラテラル・エストッペル(2次的禁反言)のケーススタディ1
仮に裁判所が特許無効の理由ありと判断した場合に、特許権者は、前訴の被告とは異なる他人との特許侵害訴訟でも、前訴の判断の拘束を受け、事実上、特許権は有名無実のものとなります。
|
留意点 |
|
次ページ
※ 不明な点、分かりづらい点がございましたら、遠慮なくお問い合わせください。 |
|