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 パテントに関する専門用語
  

 No:  1472   

Trier of fact /特許出願

 
体系 外国の特許法・特許制度
用語

Trier of fact(事実認定者)

意味  Trier of fact(事実認定者)とは、主として司法手続において事実を決定する責を負う人物又は合議体を言います。



内容 @Trier of factの意義

(a)裁判所において事実の認定に関する問題を、事実問題と言います。
事実問題(matter of fact)とは

(b)裁判においては、裁判官が事実問題を決定する任務を負う者(trier of fact)に対して問い掛ける形で質問をします。この質問を、Question of factと言います。

 ここで事実の決定とは、証拠から何が存在し、或いはどういう事象が生じたのかを決定することです。

 ここで、専門家の科学的・技術的な知識は、事実認定者による証拠の理解又は争点事実の判断を助けるものであるとされています(連邦証拠規則702)。

 特に特許訴訟は内容が技術的・専門的であるため、例えば特許出願人がクレーム(請求項)に使用した用語の意味を明らかにし、或いは特許無効資料(特許出願前に公開された先行技術文献など)を評価する上で、技術専門家の証言が有用となる場合が少なくありません。

(c)“trier of fact”は、一般的には陪審員ですが、裁判官自身であることもあります。

 後者の場合には自問自答のような形になり、少し不思議な感じがします。

 しかしながら、争点を質問形式にすることにより、裁判官自身の考えをまとめ易くなりますし、裁判の争点を解り易く記録に残すという上でも有利であるので、このような方式が取られています。

(d)また、“trier of fact”という用語は、行政裁判官(Administrative Law Judge)にも使用されます。

(e)同様の意味の用語として、“Fact finder”という言葉も用いられます。


ATrier of factの内容

(a)Jury

 陪審裁判(jury trial)においては、陪審がtrier of factとなります。

 陪審がある事実を認定したときには、判事の指示に従って関連する法律に当てはめ、判決に至ります。

 陪審は恣意的に事実認定をすることはできません。すなわち、陪審裁判では、事実の認定は陪審が行いますが、どういう証拠を陪審が見聞きするべきかは、判事が決定します。

(b)Judge

ベンチトライアル(bench trial)においては、判事(Judge)が事実の認定を行います。
ベンチトライアルとは

 この場合には、判事が“trier of the law”となると同時に“trier of fact”となります。
Trier of the lawとは

(c)Administrative law judge(ALJ)
米国においては、行政裁判官がトライアルの進行役を務め、かつ行政法上のクレームや論争に関して裁定(adjudicate)します。こうした手続の中で行政裁判官は、ベンチコートの判事と同様の役割を果たします。

また特許商標庁の特許審判部(PTAB)には、前述の行政裁判官として、“Administrative patent judge”(審判官)がおかれています。

 審判官は、審査部による特許出願の拒絶の決定を維持できるかどうか等を審理します。



留意点

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