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①審査請求は、特許出願人が権利を取得する過程で必ずしなければならない手続であり、法律上、特許出願の願書等の提出と同等に重要な行為です。書面主義の下では、意思の確認を重要視しているため、その手続は、審査請求書という書面(紙か電子データであるかは問わない)を提出することで行う必要があります。
②審査請求は、必ず一定の期間(特許出願の日から3年)以内にしなければなりません。分割出願や変更出願のような特殊な特許出願の場合には、元の出願の日から期間を起算しなければならないため、知財の手続に慣れていない人には必ずしも簡単ではありません。そして期限の間際に不慣れな人が審査請求書を作成をしようとすると、手続上の間違いが起こり易く、その間違いが軽度のものであれば、手続の補正ができますが、そうでなければ、手続が却下されることもあり、審査請求が期限内に間に合わないということも起こり得ます。
③従って審査請求書の記載事項は間違いがないように作成しなければなりません。特に間違ってはいけないのは、出願番号、請求人の氏名・住所(住所を識別番号により特定する場合には住所)です。出願番号を間違うと、請求人の意図としては間違いであっても、役所の立場からは、方式上の不備はないので、その補正を認めることができません。また住所を間違うと、そもそも請求人を特定できないので、補正指令を送付することもできないということになりかねません。
④審査請求に関して役所に支払う費用(手数料)は、中小ベンチャー企業や非課税事業者などに対しては、軽減措置があります。
この措置は、さまざまな法律に基づいて区々に定められており、それぞれ軽減の条件が異なりますので、よくご確認下さい。
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/ryoukin/genmensochi.htm
⑤第三者が納付する場合、特許情報プラットフォームでその事件の公報の表示画面から「経過情報」→「出願情報」を参酌すると、現時点で審査請求が行われているかどうかを確認できます。
⑥特許出願について審査請求をした時から6月以内に限り、その審査請求の時より審査官等による次の通知が行われるまでの間に、特許出願人が当該出願を取り下げ、放棄したときには、審査請求手数料の一部が特許出願人の請求により返還されます。審査請求後の事情の変更などにより、権利取得の必要がなくなった案件に関して、特許出願を取下げ・放棄させ、役所の審査資源を有効利用する趣旨です。
イ先願主義違反の場合の協議命令
ロ文献公知発明に係る情報の不備の通知
ハ拒絶理由通知
ニ特許査定又は拒絶査定の謄本の送達
⑦特許出願人又は第三者が過誤により役所への手数料を納付したときには、過誤納返還請求ができます。但し、納付の日から1年を経過したときには返還請求ができないことに留意すべきです(195条第10、11項)。
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