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プロパテントのプロ(Pro)とは、特許に対して好意的(in favor of
patent)或は特許を支える(supporting patent)という意味です。特許の活用を支援するということです。
一般に国の経済政策は特許法と独占禁止法との2つの柱で支えられています。特許法は、独占状態を作り出すもの、独占禁止法は独占状態を制限するものであり、正反対の性質を有します。両者の調和を図ることが国の産業の健全な育成に必要ですが、プロパテントは、独占を重視する方向に調和点を移動するものです。
プロパテントと対立する概念は、アンチパテントと呼ばれます。
アメリカは、レーガン政権の下でアンチパテントからプロパテントへ政策転換したと言われています。
アメリカのプロパテント政策は具体的に次のようなものです。
(a)連邦巡回控訴裁判所(CAFC; Court of Appeals for the Federal Circuit)」の創設
これは、特許商標庁(USPTO)の審決に対する不服申立てと地裁の知的財産権事件に対する控訴を統一して判断する裁判所です。
(b)スーパー301条
これは、知的財産権の保護が不備な国への制裁措置を定めた法規です。
(c)通商法301条
これは、貿易相手国と不公正な取引上の慣行に対して協議することを義務付け、不公正さが解消しない場合に制裁措置をとることができる法規です。
こうした政策とは別に均等論をベースとする特許権者に対する手厚い保護
が与えられ、損害賠償額の高騰とも伴って、プロパテントの傾向は一層明確になりました。
日本でも、知財高裁の設置等のプロパテント政策を採っています。
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