内容 |
①特許法は、新規発明の公開の代償として独占排他権を付与し、一定期間市場において他人による特許発明の実施を排除するものです。他方、独占禁止法は、公正かつ自由な競争を促進し、事業者が自主的な判断で事業活動をできるようにし、事業者間の競争により、消費者の利益を確保するものです。このように特許法は、独占を作り出すもの、独占禁止法は、独占を規制するものであり、両者は対立する関係にあります。両者を調整することが重要ですが、前者を重視する立場をプロパテントといい、これに対して後者を重視する立場をアンチパテントといいます。
②アメリカは、自由な産業活動を重んずる国柄でしたが、1980年代に、アンチパテントからプロパテントに転換したといます。
③一般に、国の技術力が弱いときにはアンチパテントが有利であり(他国企業による産業支配を回避するため)、技術力が強いときにはプロパテントが有利であるといわれています。アメリカはもともと技術力が強かったために、上記の政策転換は理に適ったことであるといえます。
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