パテントに関する専門用語
  

 No:  418   

進歩性審査基準/特許出願の要件(外国)/ホッチキス判決

 
体系 実体法
用語

ホッチキス判決

意味  ホッチキス判決は、発明の非自明性という概念をはじめて特許法に導入した1850年の判決です。


内容 @ホッチキス判決の要旨は、古い装置の改良であって単に素材をよりよいものに置換するものに付与された特許は無効であるということです。

A特許権侵害訴訟において、特許の有効性が争われました。特許の対象は、ドアノブなどのノブであり、粘土又は陶器により製造されるものです。

Bこの判決の判決までは非自明性という概念が米国特許法になかったため、この発明の特許出願に対して一旦はパテントが成立しました。しかしながら、裁判所は次の理由により有効性を否定しました。

 古い装置の素材を異なる素材(装置の目的に合致する材料)に置き換えてより良いものにする改良の特許は、有効ではない。発明者が製造する粘土又は陶器製のノブは、木製のものに比べてより耐久性に優れたものとなるかも知れない(∵シャフトをノブに固定するため)。しかしながら、その方法は既に知られていることであり、木製のノブで広く使用されている。この場合、この改良は熟練した職人の仕事であって、発明者のそれではない。

Cこの判決は、単なる材料の変更(最適化)程度では特許を受けることができないことを判示しており、これは進歩性の概念の出発点となりました。

D日本の進歩性審査基準にも材料の最適化などや設計変更に関して次のように規定しています。

 “一定の課題を解決するために公知材料の中からの最適材料の選択、数値範囲の最適化又は好適化、均等物による置換、技術の具体的適用に伴う設計変更などは、当業者の通常の創作能力の発揮であり、相違点がこれらの点にのみある場合は、他に進歩性の存在を推認できる根拠がない限り、通常は、その発明は当業者が容易に想到することができたものと考えられる。”


留意点

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