パテントに関する専門用語
  

 No:  557   

特許出願の要件(外国)/FITF/先願主義2
進歩性

 
体系 外国の特許法・特許制度
用語

First Inventor to File System

意味  First Inventor to File System(FITF)とは、米国で採用されているFirst to File system (先願主義)の一形態をいいます。
First to File systemとは


内容 ①特許出願のFirst Inventor to File Systemの意義

(a)米国は、同じアイディアに複数の特許出願が競合したときには、最先の発明者にpatentを付与し、新規性や進歩性の判断時も発明時を基準とする法制を長くとっていましたが、2013年の改正に最初に特許出願を行い、進歩性等の判断も特許出願時を基準とする法制に切り替えました。

(b)しかしながら、アメリカでは憲法第8条で「発明者のみがその発明や発見についての排他的権利を有する」と規定しており、個人発明家を大事にしようという傾向があります。

(c)そのために今回の改正でも主として発明者保護の観点から独自のルールが組み込まれており、独自なものとなっています。そこで米国での先願主義は、通常の先願主義と区別する趣旨からFirst Inventor to File Systemと呼ばれることがあります。

②特許出願のFirst Inventor to File Systemの特色

(a)grace period(猶予期間)の存在

 発明者が自己の発表をしてから一年以内に特許出願をした場合に一定の範囲で当該発表に関連する事項が先行技術とならないというgrace periodが認められること。

 アメリカでは研究者が学会発表した後に特許出願を行うことが多いので、当該発表等を新規性・進歩性の判断の基礎となる先行技術の範囲から除外しています。このgrace periodの適用範囲は日本の新規性喪失の例外より広範です。
Grace periodとは

(b)Deviation proceedingの存在

 また先の特許出願の請求の範囲に記載された発明が後の特許出願に由来する場合があります(例えばいわゆる冒認出願)。先願主義を採用していても、こうした場合には後の特許出願人がpatentを受けることができるようにしないと不公平です。

 先の特許出願が後の特許出願に由来することを確認する手続としてDeviationが採用されています。
Deviationとは


留意点

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