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560 特許出願の要件(外国)/FITF/deviation |
体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
Deviation |
意味 |
特許出願のdeviationとは、米国の先願主義の下で採用されている特許出願の中間手続であって、同一又は実質同一の発明について競合する2つ特許出願の間にcommunication(通信)があった場合に真の発明者を決定するものをいいます。
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内容 |
①特許出願のdeviationの意義
米国は2013年に、同一の発明について2以上の特許出願が競合した場合に最先の特許出願人にpatentを付与する先願主義に移行しました。
→First Inventor to File Systemとは
しかしながら、先願主義といえどもpatentを受けることができるのは真実の発明者に限られますから、真の発明者からの情報の流出によりたまたま発明を知得した者が真の発明者より先に特許出願をして、権利を取得すると不合理です。
そこで先願主義の導入に伴って、先の特許出願でクレームされた発明が、後の特許出願に由来するものでないかどうかを確認するためにdeviationの制度が採用されました。
②特許出願のdeviation の申請
(a)特許出願のdeviationは、申請により開始されます。
(b)deviationの申請は、特許出願人のみがなることができます。但し特許権者は、再発行特許の出願人となることで、上記申請をすることができます。
(c)deviationの申請の期限は、先の特許出願人のクレームのうち申請人が自己の発明と同一又は実質同一と主張するものが最初に公開されてから1年以内です。
③特許出願のdeviation の手続
次の事柄が審査されます。
・先の特許出願のクレームと申請人(後の特許出願人)が開示された発明とが同一或いは実質的同一であること。
・申請人と応答人(先の特許出願人)との間に問題の発明に関してcommunicationがあったことを裏付ける証拠があること。
・申請人が応答人に対して当該発明に関して特許出願をする権限を与えていなかったこと。
④特許出願のdeviationの効果
Deviationの手続により、先の特許出願人がクレームする発明が、後の特許出願人に由来するものであり、後願者による許可なしに先に出願されたものであることを実質的証拠により裏付けることができた場合には、後の特許出願人にpatentが付与されます。
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留意点 |
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