内容 |
@垂直統合の意義
例えば日本の携帯電話業界では、D社とK社とS社とがそれぞれ通信サービスの提供から端末販売・コンテンツサービスまでを同列の企業で統合する垂直併合を形成しています。
A垂直統合の得失
(a)垂直統合の利点は、それにより業務を一元管理できることです。例えば製造部門を一つの河川の流れに例えると、川上を担当する部門(部品の製造会社)と川下を担当する部門(全体品の製造会社)とが統合することで製造工程を一元管理できます。
(b)垂直統合の不利は、例えば外部からの技術導入に消極的になったり、業務上のコストが高くなおそれがあることです。→自前主義とは
B垂直統合と特許の活用及び取得(特許出願)との係わり
垂直統合の下で統合されている企業同士が共同して特許出願をすることがあります。
(a)例えば製造業者と販売業者とのような異種企業同士において、販売業務において需要者から企業に寄せられた製品の問題点(課題)を製造業者に伝えて、製造業者が課題解決の具体的手段を着想した場合、両者の協力で発明に至ったのですから、両者が共同して特許出願をする意味があります。
(b)また同種の企業でも、製造の川下部門を担う企業が認識した課題(部品の欠点)を川上部門を担う企業に伝え、後者が課題解決の具体的手段とが着想した場合には、課題を見い出した者と課題解決の手段を着想した者との共同での特許出願とする意味があります。
|