No: |
590 パテントプール/特許の活用/特許出願 |
体系 |
ビジネス用語 |
用語 |
IPRポリシー |
定義 |
IPRポリシーとは、標準必須特許を有する権利者の保護と当該標準特許の活用及び技術標準の普及とのバランスを図るために、標準化団体が標準必須特許に関して定めた取極めをいいます。
|
内容 |
@IPRポリシーの意義
(a)標準必須特許は、技術標準の規格を実現しようとすると、当該特許を侵害せざるを得ない(或いは実質的に侵害せざるを得ない)ものであるために、特許権者が他人の実施を全く許さないとか、高額の実施料を要求するという事態になると、何のために技術標準を策定したのかが分からなくなります。そこでIPRポリシーのような約束事が必要となります。
(b)IPRポリシーは、標準必須特許に対する標準化団体の対応方針及び標準化団体への参加者が遵守するべき事項を定めています。
AIPRポリシーの一般的な内容
(イ)標準必須特許の権利者が、標準必須特許の存在とその許諾条件について宣言書により表明することを要求すること。
多くの標準化団体では、標準必須特許の存在の表明に関して特許出願中の技術を含めています。そうしないと、特許出願中の技術を隠して技術標準の策定会議に参加し、そこで知り得た情報を元に特許出願のクレームを有利に補正すると同時に、後に標準化団体から離脱するという事態が起こり得るからです。
(ロ)標準必須特許の関連性又は必須性の評価に対して標準化団体は関与しないこと。
(ハ)標準必須特許の実施許諾の交渉は当事者間で行い、標準化団体は関与しないこと。
(ニ)紛争解決に関しても標準化団体は関与しないこと。
B標準必須特許の活用に関する対応方針の具体例
(a)一般に標準必須特許の活用に関して表明される宣言には次の種類があります。
(イ)RF宣言(1号宣言)…無償で必須特許の実施許諾を行うか、或いは知的財産権を行使しない。
(ロ)RAND宣言(2号宣言)…有償であるが、合理的かつ非差別的な条件で実施許諾を行う。
(ハ)FRAND宣言(2号宣言)…有償であるが、合理的かつ非差別的かつ公平な条件で実施許諾を行う。
(b)標準化団体の参加者は実施許諾をしない3号宣言を表明することもできます。この場合には、その宣言が撤回されない限り、標準化団体はその参加者の技術を回避する形で技術標準の策定を目指すことになります。
|
留意点 |
|
次ページ
※ 不明な点、分かりづらい点がございましたら、遠慮なくお問い合わせください。 |
|