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809 用途発明の機序/進歩性/特許出願の要件 |
体系 |
実体法 |
用語 |
用途発明における発明の機序 |
意味 |
発明の機序とは、発明の原理・仕組みをいいます。用途発明(或る物の未知の属性を発見し、この属性により、当該物が新たな用途への使用に適することを見い出すことに基づく発明)の新規性や進歩性を判断するに際して重要な概念です。
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内容 |
@用途発明と発明の機序との関係
(a)ある物が特許出願の前に公開されれば、特許にならないのが原則ですが、その物の未知の属性を発見し、この属性に自然法則を適用して新たな作用効果を発揮し、結果として新たな用途に適用することを見い出したときには、用途発明として特許を受けることができます。
(b)発明の機序は、発明の構成(課題解決手段)から発明の効果を発揮するためのメカニズムであり、用途発明の特許出願が許可されるか否かを判断する上で重要です(平成22年(行ケ)第10256号)。
(c)用途発明の特許出願は素材・化学の分野に多くあります。例えば同一の物質により用途1の他に新たに用途2が見出された場合、当該物質の成分Aが用途1の作用にかかわり、当該物質の成分Bが用途2の作用にかかわる場合には発明のメカニズムが異なるので用途発明として成立する可能性が高まります。
A用途発明における発明の機序の取り扱い
(a)特許出願人の発明が「シワ形成抑制剤」であり、引用発明は「美白化粧料組成物」である場合、人体の表面に塗る、美容目的で使用される場合が多いなど用途の共通点が多いですが、発明の機序を異なる場合には用途発明として成立し得ます。
→用途発明のケーススタディ3(発明の機序)
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留意点 |
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