内容 |
①請求の趣旨(民事訴訟法の)の意義
(a)請求の趣旨は、訴状で求める訴えの結論に相当する部分です。
(b)そして裁判の主文は請求の趣旨と一致するのが通例です。
②請求の趣旨(民事訴訟法の)の内容
(a)給付判決を求める場合(→給付判決とは)
(イ)特許侵害に対して差止請求権を行使する場合には、次のように請求の趣旨を記載します。
「被告は、別紙目録記載の製品を製造し、販売してはならない。」
併せて侵害行為組成物である製品及び製品固有の所定の構造を有しているが完成に至らないもの(半製品)、侵害行為に供する設備に対していわゆる排除請求権を行使するときには次のように記載します(→排除請求権とは)。
「被告は、別紙目録記載の製品及び半製品及び製造のための金型等を廃棄せよ。」
(ロ)特許侵害に対して損害賠償請求権を行使したり、特許出願の係属中に請求の範囲に記載された発明を実施した者に対して補償金請求権を行使するときには、次のように請求の趣旨を記載します。
「被告は、原告に対して、金○○円及びこれに対する○年○月○日 から支払い済みまで、年5分の割合による金員を支払え。」
(b)確認訴訟
特許権者が自分に対して差止請求権を行使できないことを確認する訴訟(差止請求権不存在確認)においては、次のように請求の趣旨を記載します。
「被告は、登録第○○号特許権に基づく、原告による別紙目録記 載の製品の製造、販売…行為を、差し止める権利を有しないことを確認する。」
「被告は、登録第○○号特許権に基づく、原告による別紙目録記載の方法の実施を、差し止める権利を有しないことを確認する。」
(c)形成判決
特許出願に対する拒絶審決、或いは特許無効審判に関する審決の取消を求める訴訟では、請求の趣旨は次のように記載します。
「1特許庁が不服20○○-○○○○○号事件について平成 年 月 日にした審決を取り消す。2訴訟費用は被告の負担とする。
との判決を求める。」
これらの訴えの判決は、形成判決であり(→形成判決とは)、裁判所は例えば特許維持の判決、特許をすべき旨の判決など自判する給付判決をすることができません。判決が確定すると、当該確定判決は、審判官を拘束します(特許法181条2項)。
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