体系 |
手続の総則 |
用語 |
強行規定 |
意味 |
強行規定とは、当事者の意思によって異なる効果を生じさせることができない規定を言います。
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内容 |
①強行規定の意義
強行規定は、当事者の意思に関わりなく適用される規定を言います。
例えば、民法5条は、未成年が法律行為をするためには同意を要すると定めていますが、これは強行規定です(→法律行為とは)。契約で法定代理人の同意は不要と定めたら規定の適用を免れるとしたら、未成年者保護の目的が果たせないからです。
強行規定は、任意規定に対する概念です(→任意規定とは)。
強行規定及び任意規定に類似の関係にある用語として、効力規定・取り締まり規定及び訓示規定があります。
もっとも強行規定及び任意規定は、主に私人同士の関係(私法)において、効力規定・取り締まり規定及び訓示規定は、主に国と人との関係(公法)において用いられる言葉です。
②強行規定の内容
(a)例えば特許法第35条第2項には、「従業者等がした発明については、その発明が職務発明である場合を除き、あらかじめ使用者等に特許を受ける権利若しくは特許権を承継させ又は使用者等のため仮専用実
施権若しく専用実施権を設定することを定めた契約、勤務規則その他の定めの条項は、無効とする。」としています。
すなわち、製造メーカーに勤務する運転手のようにいわゆる研究職にない人がその会社の業務に関係する発明をしたときに、特許出願をする権利(特許を受ける権利)や特許権をあらかじめ承継させること(→予約承継とは)などを定めた契約などは、たとえ当事者の合意があったとしても無効となります。
発明をする前の契約は、とかく従業者等の不利になりやすいため、従業者等を保護し、発明意欲を増進させる趣旨です。
これにより従業者等は自分がした発明の価値を検討しながら、自ら特許出願をするか、それとも特許を受ける権利などを会社に譲渡するかを選択することができます。
(b)また特許法上の手続(特許出願など)をする者の代理人が複数いるときには個別代理として扱われますが(特許法第12条)、この規定も強行規定です。 →代理人の個別代理とは
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