パテントに関する専門用語
  

 No:  930   

要式行為/特許出願

 
体系 手続の総則
用語

要式行為

意味  要式行為とは、一定の方式を必要とする法律行為を言います。
法律行為とは


内容 ①要式行為の意義

(a)要式行為は、一定の方式に従うことにより成立します。

 例えば遺言に関しては

 「遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。ただし、特別の方式によることを許す場合は、この限りでない。」(民法967条)と

 婚姻に関しては

 「1.婚姻は、戸籍法 (昭和22年法律第224号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。2.前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。」(民法739条)と

 それぞれ定められており、その方式に従わなければ有効ではありません。

(b)単に法律が一定の方式(書面の作成)を推奨するに留まり、法律発生の要件ではないものは、要式行為ではありません。

②要式行為の内容

(a)例えば特許出願に関して、特許法第36条第1項には、「特許を受け用とするものは、次に掲げる事項を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない。一特許出願人の氏名又は名称及び住所又は居所 二発明者の氏名及び住所又は居所」と記載されており、これらの方式に従わなければ、特許出願は有効ではありません。

 すなわち、特許出願の手続は要式行為です。

 これらの方式に適合しない場合、特許庁長官は特許出願を却下します(特許法18条の2第1項)。但し、補正可能な要式違反であり、特許出願人が補正により瑕疵(キズ)を解消した場合にはこの限りではありません。



 これに対して、特許出願を代理人によって行う場合に提出する委任状は特定の要式を要求されません。代理人への委任は不要式行為だからです。
不要式行為とは

(b)審査官は、特許出願の審査が終了すると特許査定又は拒絶査定をだしますが(特許法第49条、51条)、これに関して特許法52条第2項には、「査定は、文書をもって行い、かつ理由を付さなければならない。」と定められています。

 従って仮に審査官が特許出願に対する書面を文書以外の要式で行った場合には、その行為は有効ではありません。


留意点

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