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@技術の意義
(a)特許出願の対象である発明は、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいいます(特許法第2条第1項)。
(b)ここでいう技術は一定の目的を達成するために役立つものでなければなりません。
例えばタイヤの踏み面に一定のパターンの溝を設けることにより、踏み面を付着した水をタイヤの外に逃がすというアイディアを考案したとします。このアイディアは、タイヤと地面との摩擦抵抗を高めることで、タイヤのグリップ力を向上するという目的に寄与し、“技術”的思想たり得るから、特許出願することができます。
(c)これに対して、タイヤの踏み面に設けた溝のパターンの見た目の面白さに着目したアイディアは、物品の美的形態に係る創作であり、意匠登録出願の対象となります。
A技術の内容
(a)“技術”と類似の概念として“技能”がありますが、前者は、他人に対して客観的に伝達できるものであるのに対して、後者は、客観的に伝達できないものという点で相違があります。そして後者は本来的に特許出願の対象とならないものです。
例えば従来金属で製造していた特定形状の製品を、職人としての経験と技能を活かして陶器により実現したとします。それがどれほど見事な出来前であったとしても、陶器製のその物を特許出願したと仮定すると、客観的に他人に伝達できない職人芸の部分は新規性や進歩性の評価の対象とはなりませんので、単なる材料の変更となり、いわゆる設計的事項の変更として進歩性を拒否される可能性が高いです。
(c)これとは異なり、本来客観的に伝達できる“技術”的要素があるにも関わらず、発明者がそういう要素を秘匿して特許出願した場合には、当該発明は、未完成発明として拒絶査定される可能性があります。
→未完成発明とは
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