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 パテントに関する専門用語
  

 No:  957   

特許出願の要件/発明/全体としての利用

 
体系 実体法
用語

全体としての利用のケーススタディ

意味  特許出願の対象である発明は、自然法則を利用した技術的思想の創作でありますが、ここでいう自然法則の利用とは全体としての利用でなければならないと解釈されています。ここでは全体的利用の意味をケーススタディします。


内容 @発明全体としての自然法則の利用の意義

(a)発明全体としての自然法則の利用とは、発明の一部に自然法則を利用したものであってならない、という意味です。

 発明は技術的思想の創作であり、そして技術を“一定の目的を達成するための手段”と解釈すれば、一部にのみ自然法則を用いたものは、結局、その目的を達成できないからです。

 全体として自然法則を利用していないアイディアとして、永久機関があります。

A全体としての自然法則の利用の内容

(a)具体的には、仮想事例を検討します。

(i)毛細管現象を利用して、容器内から起立する細管により容器内の水を吸い上げる段階と、

(i i)“水は高い所から低い所へ流れる。”という法則を利用して、管の上端側から管の外側流路を介して容器内へ戻す段階と、

(i i i)流路の途中に置かれた水車を流水の動力を利用して回転させ、水車に連結した発電機を利用して発電する段階と、

 からなる動力取り出し装置。

 これは、古くから知られた永久機関の一種ですが、(i i)の段階に間違いがあります。細管内の水は管壁との表面張力により重力に逆らって上昇するのですから、細管の上端から水を取り出して容器に戻すという現象が自発的に生ずるということは有り得ません。換言すると、(i i)の段階で自然法則を利用していないので、他の段階で自然法則を利用していても“全体として自然法則を利用した”ものではなく、機能しません。

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(b)こういうアイディアを特許出願したいとして、相談されることがあります。頭の中だけで考えていけそうだ、と思ったアイディアの中には、ときとしてこういう類のものがあります。特許出願の準備に取り掛かる前にまず実際に試作機を作って上手く動くかどうかを確認することが大切であると思います。


留意点

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