パテントに関する専門用語
  

 No:  998   

研究委託契約/特許出願/オープンイノベーション

 
体系 ビジネス用語
用語

研究委託契約

意味  研究委託契約とは、当事者の一方が相手方に対して、新技術の研究開発を委託する契約を言います。


内容 ①研究委託契約の意義

 従来、日本の企業は自社の技術陣により必要な技術を確立することにこだわりを持っていましたが、国際競争力の激化により、世間のニーズに対してより早く対応できるように、課題解決に必要な基礎技術を世界中から求めるオープンイノベーションの必要性が認識されています。

 そして、課題解決に必要な基礎技術が今現在存在しなくても、それを実現するために一番近いところにいる研究機関に研究を委託するということも重要になっています。

②研究委託契約の内容

(a)研究委託契約の契約書を作成するときには次の点を留意します。

(イ)契約の目的を記載します。

 例えば甲は“△△”に関する研究開発に係る業務を乙に委託するという如くです。

(ロ)委託額を記載します。

 委託者甲が予定する予算の範囲で研究を行わせるためです。

(ハ)委託期間を規定し、さらに委託の計画を定めます。

 委託の期間及び計画を予め定めることで甲が研究の進み具合を評価できるようにするためです。

(ニ)委託業務の管理について規定します。

 委託者甲が、委託業務の実施状況を受託者乙に報告させることができるようにします。

 例えば研究が滞っているときには、その状況を受託者甲に知らせ、必要により改善のための指示を出せるようにします。

 他方、例えば特許出願ができる程度の技術が創出されたときには、その成果を報告させ、必要により今後の展開に関して要望事項を受託者に伝えることができるようにします。

(ホ)委託業務の実施により取得した財産に関する帰属及び管理について定めます。

 受託者乙が特許出願をして取得した特許権に関して所定の期間内に委託者甲に移転する、という如くです。

(b)当然ながら受託者(研究機関)及び受託者の業務に関わる者(研究機関の職員)には秘密保持義務が課されるべきです。

 そのためには、契約書により提出されるべき実験計画書にその業務に関わる担当者個人まで特定し、担当者が変わるときには、その旨が委託者甲に報告されるようにすることが望ましいと考えます。

 過去の事例として、ある研究分野での第一人者である大学教授に対して、複数の企業が研究開発に関する助言を求めていたところ、結果として、情報のコンタミネーションが生じてしまった(ある企業が保有する未公開の情報が他の企業に漏れた)ということがあったと言われています。
コンタミネーションとは

 コンタミネーションにより漏出した情報を元に新たな技術が確立され、特許出願されたりすると、法律上の問題(誰が発明者かなど)が複雑となります。委託研究に係る者は、それが誰から委託された研究の秘密情報であるかを常に意識して、情報の混同を生じないようにする必要があります。


留意点  研究開発委託とは厳密には異なりますが、外部の人物に研究開発への協力・助言を依頼し、その後に報酬を巡る争いとなった事例として、次のケースを挙げます。
自転車デザイン事件(昭和59年(ネ)第2632号)


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