体系 |
特許出願の審査 |
用語 |
最後の拒絶理由通知後の不明瞭な記載を釈明する補正の制限 |
意味 |
最後の拒絶理由通知後の特許請求の範囲の不明確な記載は、当該通知において審査官が指摘されたものに限られます。
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内容 |
@特許出願人が願書に添付する特許請求の範囲は、独占的な権利のボーダーラインを定める根本となる書面です(70条第1項)。
A従って、特許出願人は、発明の外縁があいまいな請求項を作るべきではなく、最後の拒絶理由通知後の審査段階であっても不明瞭性が明らかになったときには、是正の機会を与えるべきです。そうでなければ、従来、独占排他権を付与した後でも訂正審判などで不明瞭な記載の釈明の訂正が認めていることとの均衡が図れないからです。
Bしかしながら、従来から、“不明瞭な記載の釈明”にこじつけて特許請求の範囲の変更・拡張が試みられることがあり、最後の拒絶理由通知後に、特許出願人の発意により不明瞭な記載の補正を認めてしまうと、迅速、的確、かつ公平な権利付与の障害となる可能性があります。
そこで審査官が拒絶理由通知で特許出願人に指摘した事項に限って不明瞭な記載と認めることにしました。
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留意点 |
特許出願人は、最後の拒絶理由通知で指摘された不明確な記載を補正する際に、指摘された箇所以外を便乗的に補正することはできません。指摘された箇所と同じパターンで同程度に不明確な記載があると、つい気を利かせて補正をしたくなるものですが、特許出願人の勝手な判断で補正すると、補正の制限に反するとして却下の処分を受ける可能性があります。特許出願人は、必ず審査官に電話相談して許可を得るべきです。
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