パテントに関する専門用語
  

 No: 026   

特許出願の種類/出願分割(流れ1)

体系 特許出願の種類
用語

分割出願する手続の流れ

意味  特許出願を分割することの効果(遡及効)を確保するためには、一連の手続の流れを法律の要件に適合するように行う必要があります。

内容 ①分割出願は、原出願の一部を取り出して行うものです。

 これより分割した出願に係る発明が、原分割の明細書等に記載された発明の全部ではないことが要求されます。また原出願の補正ができない時期に特許出願人が出願を分割するときには、原出願の分割直前の明細書などに分割の対象となる事項が記載されている必要があります。

②分割出願は、原出願の出願時の開示範囲を超えてすることができません。

 特許出願人が分割の時点で原出願の記載事項をそっくり取り入れ、分割の直後の補正で特許請求の範囲から不必要な請求項を削除すると、取りこぼしがなくなります。

③分割出願の時点で原出願が特許庁に係属している必要があります。

④特許出願人が複数人いる場合には、全員で出願分割しなければなりません。

⑤特許出願を分割することは所定の時期に行う必要があります(→分割出願の時期

留意点  旧特許法(及び平成6年改正迄の現行法)では原出願に係る発明と分割出願に係る発明とが同一でないことが出願分割の要件とされ、例えば原出願の特許請求の範囲の要件「透明固形材料」を、下位概念である「透明ガラス」に変更して出願分割の要件に反するとされた事例があります{(昭和59年(行ケ)262}。しかし現在では出願分割の効果を認めた上で先願主義の規定で対処する傾向となっています。
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