体系 |
実体法 |
用語 |
産業上利用することができる発明 |
意味 |
産業上利用することができる発明とは、一般産業において実施することができる発明をいいます。
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内容 |
@特許出願は、特許権の付与の意思表示です。特許権は、発明の保護をすることで最終的に発明が産業界で利用されることを促し、産業の発展に寄与するために付与されます。従って産業上利用できない発明、例えば学術的・実験的にしか利用できない発明を特許出願すると拒絶査定を受けます。
A「産業」は、鉱工業・農林水産業等の生産業の他に、交通・運輸などの補助産業を含みます。医療業は産業ではないと解されています(→「医療発明の産業上利用性」)。他方、医療装置の発明は産業上利用性があります。
B「利用」とは、特許法第2条第3項の実施をいいます(→「発明の実施」)。業としての実施であり、個人の喫煙方法の如き発明は除外されます(審査基準)。
C「利用できる」とは、技術的に実施できるか否かの問題であり、経済性を要求されません。また技術的な不利益を伴う発明でも、それを以て産業上利用できないとはできません(→「電磁粒子式制動装置事件」)。
D「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作であって高度のものをいいます(→発明とは)。
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留意点 |
Cに関して、技術的な不利益が本質的で除去しえないときには産業上利用性が否定され得ます(コンクリート塀で日本列島を囲む体風防止装置)。
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