内容 |
@発明は抽象的な概念であるので、定義が難しく、多くの国ではその概念を学説・判例に委ねています。例えば米国では、”太陽の下で人によって創造したあらゆるもの”(Anything under the sun that is made by man)が特許の対象となるとしています(チャクラバティ判決)。
しかしながら、それでは日本人の感性としては大ざっぱ過ぎるように感じられます。発明の概念が不明確であると、特許出願の審査や侵害訴訟の実務において無用の混乱を生じ、発明を適切に保護することができません。そこで法律上で発明の概念を定義しました(2条1項)。
A「自然法則を利用した」ものであること。
したがって数学の理論のごとき、人の精神的活動の結果は発明の基礎となりません。
B「技術的思想の創作」であること。
(a)「創作」でなければならないので、単に自然法則を発見したというだけでは、保護の対象外です。
但し、用途発明は、法律上の発明となります。
(b)「技術的思想」でなければならないので、ホームランの打ち方のような人の技能に基づくものは、特許出願することができません。 →技術とは
(c)また技術として成立することができる程度の具体性を欠くものは、未完成発明であり、やはり特許出願をしても拒絶査定されます。例えば化学の発明であり、効果を確認家できる実験例がないものです。
C「高度のもの」であること。
“高度のもの”という条件を付けたのは、実用新案法の保護対象である考案との差異をつけるものです。もっとも現時点ではその差異は明確ではありません。
D法律上の取り扱い
こうした“発明”を特許出願することにより、事業を有利に展開できます。 →特許出願の意味とは
|