| 内容 |
①発明は、無体物であるため、これを実施して得られる利益は実施者本人の実施能力如何に大きく左右されます。例えば或る地域に限定して実施権を設定（又は許諾）して、残りの地域について特許権者自身が実施するという戦略をとる場合に、最初に設定を受けた者からより実施能力の強い大企業へ実施権が無断で移転されていたとすると、特許権者自身の事業を困難にする可能性があります。そこで特許法は実施権の移転を制限しています。
②専用実施権では、事業とともにする場合、特許権者の承諾を得た場合、及び相続その他の一般承継の場合にのみすることができます。事業とともにする場合を認めたのは、事業を移転しても実施権がなく、実施することができないのであれば、その事業設備を稼働できなくなり、国家産業の損失となるからです。
③許諾による通常実施権者についても同様です。但し、専用実施権者から許諾を受けた場合には、特許権者及び専用実施権者の双方の許諾が必要です。
④法定通常実施権、裁定通常実施権の場合には、それぞれ独自の制限を受けます。
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