| 体系 |
権利内容 |
| 用語 |
不実施の場合の通常実施権の裁定制度 |
| 意味 |
不実施の場合の通常実施権の裁定制度とは、特許発明が継続して３年以上日本国内において適当に実施されていないときに通常実施権の設定について行政機関の裁定を請求できる制度です。
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| 内容 |
①特許法の目的は、産業の発達に貢献することですが、貢献のプロセスとしては、特許出願を通じて新規の創作を公開して次の技術開発の礎を提供することと、発明を実施して産業活動に役立てることとが考えられます。特許権者が、自己の権利範囲で他人の実施を禁止しながら、長期間に亘って正当な理由なく自分の特許の活用を図らない（自ら特許発明を実施せず、実施許諾もしない）というのでは、その社会的意義を十分に果しているとは言えません。そこで本制度が採用されました。
②「実施されていないとき」であるので、過去に３年間実施していなくても、現在実施していれば裁定を請求できません。
③裁定の前提として、特許権者との協議が不調であることを要します。できるだけ当事者間の話し合いで解決するためです。
④特許出願の日から４年を経過するまでは裁定を請求できません。実施の準備に必要な期間を考慮したためです。分割出願・変更出願に係る特許の場合には、原出願の日から４年です。原出願の日から実施の準備は可能だからです。
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| 留意点 |
本制度の関連事項として、パリ条約５条Ａに発明の不実施に対する制裁の制限の規定が設けられていますが、本制度は制裁というよりは適正な実施の確保を目的としています。
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