体系 |
実体法 |
用語 |
用途発明 |
意味 |
用途発明とは、或る物の未知の属性を発見し、この属性により、当該物が新たな用途への使用に適することを見い出すことに基づく発明をいいます。
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内容 |
@技術開発の成果として、新規な物質を見い出しても(発見)、それがどういう用途に役立つのかが判らないという段階で特許出願をすると、発明ではないものとして拒絶査定されます。用途が定まらない段階では、それは技術として成立しておらず、有用性を欠いているからです。後日用途が判明した時点で改めて用途発明として発明性を獲得することになります。発見と発明(用途発明)との差異、すなわち用途を見い出すことは、一見して些細なことに見えても、単なる事実の発見と創作活動とを区別する重要な要素です。
A「新たな用途への使用に適する」より、未知の属性を発見しても、その技術分野の特許出願の時の技術常識を考慮して、その物の用途として新たな用途を提供したと言えなければ、発明の新規性は否定されます。発見をしても新たな用途に結びつかない場合には用途発明とは言えません。
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留意点 |
Aに関して、食材として周知の澱粉を即席麺の材料に使う場合に従来品に比べて優れていなければ新たな用途の提供ではないとした例があります{→平成10年(行ケ)401(即席冷凍麺類用穀紛事件)}
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