[判決言い渡し日] |
2004年2月3日 |
[発明の名称] |
ハンドフリー型スピーカフォンの方法及び装置(他2件) |
[主要論点] |
禁反言の原則が後の特許出願の経緯に適用できるか否か。 |
[判例の要点] |
禁反言の原則は、同じ特許出願から派生しており、共通の明細書(description)を有する一連の特許出願の間において、 一つの特許出願で生じた事柄(意見書での陳述など)であって、その共通の明細書から導かれる限定的な解釈を裏付けるものを、 他の特許出願に付与された権利の解釈に当てはめる形で適用することができます。 当該権利が付与された後に他の特許出願において生じた事柄についても同様とします。 |
[本件へのあてはめ] |
同じ特許出願Aから派生した、明細書(specification)を共通する3つの特許出願B、C、Dのクレーム中の用語(伝送・送信・受信)に関して、狭い解釈(電話線を介したpoint
to
point通信であり、インターネットなどを介するものを含まない)と広い解釈(インターネットなどを介するものを含む)とが争われている場合に、3つの特許出願の明細書(請求の範囲を除く部分)が実質的に同じであって、発明のサマリーを含む明細書全体で繰り返しかつ一貫して一本の電話線(a
telephon
line)を介する通信である旨が記載されているときには、明細書を踏まえてクレーム中の用語は電話線を介した通信を意味することが不可避的に導かれる。そしてこの解釈を裏付ける特許出願人の言動(このクレームの発明は、電話線を介したpoint
to
point通信である点で先行技術と異なる旨の陳述)が特許出願Cにおいて行われているときには、C自体の特許や、後の特許出願であるDの特許だけではなく、先の特許出願Bの特許(前記陳述の前に成立しているもの)にも禁反言の原則が働くものと解釈されます。 |
[先の関連判決] |
903 F.2d 812 Jonsson v. Stanley Works |
[後の関連判決] |
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