[判決言い渡し日] |
平成21年4月27日 |
[発明の名称] |
切換弁及びその結合体 |
[主要論点] |
拒絶審決取消訴訟での進歩性の判断材料の追加の是非 |
[判例の要点] |
特許出願の拒絶査定に対する審決が出された後の審決取消訴訟において進歩性の判断材料(周知例など)を補充することは、審決のした結論に至る論理を差し替えるか、又は、新たに論理構成を追加するものとなる場合には、許されません。 |
[本件へのあてはめ] |
そもそも,審決は,“主引用文献と引用文献2とは水路切換機構を回動させる手段である点で共通するから、引用発明において,回動伝達部にラチェット機構を用いることで相違点イに係る本願発明の構成とすることは,当業者に容易である”と説示をするのみであって,引用発明2に着目した実質的な検討及び判断を示しておらず、 審決取消訴訟において原告(特許出願人)が主引用例はラチェット機構を回動−回動変換部に用いるもの、引用文献2は直動−回動変換部に用いるものであると主張すると、 被告は、回動−回動変換部の周知例を示して、“審決では引用文献2に記載されたラチェット機構の構造(直動−回動変換部)をそのまま引用発明に採用するのではなく,これを引用発明の回転操作されるレバーの回動伝達部に適用可能な構造として採用することを前提として判断をした”などと述べています。 “特許法第157条第2項第4号が審決に理由を付することとする趣旨は、無意識的に事後分析的な判断や証拠・論拠に入り込む危険性があり、これを避けるためである。”という先例などを含めて総合的に考慮すると、被告の主張は、審決理由を差し替えるか、新たに論理構成するものに等しく、従って取消事由2は理由があります。 |
[先の関連判決] |
平成20年(行ケ)第10261号(進歩性の判断材料の追加と事後的分析) |
[後の関連判決] |
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