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●平成12年(ネ)第5355号(特許侵害差止請求・棄却)


禁反言/特許出願/均等論/燻し瓦の製造方法

 [判決言い渡し日]
平成14年2月27日
 [発明の名称]
燻し瓦の製造法
 [主要論点]
特許出願の明細書の補正・意見書での陳述に基づく包袋禁反言、

 [判例の要点]
@本来は発明の実施態様として発明の詳細な説明に記載した事柄であっても、特許出願の審査段階で請求の範囲に組み込み、その利点を意見書で主張して特許出願について特許査定を得たときには、後日その限定が無意味なものとして均等論の適用を求めることは許されません。

A特許出願人が拒絶理由通知に接して請求の範囲を減縮したときには、外形的に意識的除外ととられる行為をしたことを以て禁反言の原則が適用されます。

 [本件へのあてはめ]
@特許明細書の請求の範囲に“表面処理材を数回に分けて付着させる”と記載されている以上、“表面処理材を1回付着させる構成”はその技術範囲には属しません。

Aしかも、上記“数回に分けて”という要件は特許出願人が拒絶理由通知を受けて請求の範囲に追加したものですから、禁反言の原則により、後日その限定は“注意的に記載した”ものに過ぎないと主張することは許されません。

B“前記拒絶理由は審査官が陶器瓦と燻し瓦とを混同したものであり、特許出願人がその点を指摘することにより特許が認められた”旨を特許権者は主張していますが、請求の範囲に表面処理材を数回に分けて付着させることが記載されており、詳細な説明にも数回に分けて付着させることの効能が記載されている以上、禁反言の原則などに基づく上記解釈を左右するものではありません。


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