[判決言い渡し日] |
平成5年12月1日 |
[発明の名称] |
ブラシレス直流モータ |
[主要論点] |
進歩性の判断における発明の課題の解釈(相反する発明の思想) |
[判例の要点] |
主引用例に副引用例(本願発明と機構及び作用効果を相違するもの)を適用する場合において、主引用例が本願発明とは技術的思想として相反するものであることは、進歩性を肯定的に評価する要素となります。 |
[本件へのあてはめ] |
本願発明は、ロータ磁極数に比較して、かなり少ない数のコイル数の構成を採用するという発想ないし技術思想に基づくものであるのに対して、引用例1の実施例においては、8極の極磁石からなるロータに対し、2層にそれぞれ8個、合計16個のコイルを配設したものが記載されています。そうすると、本願発明と引用例発明1の技術思想とは、その技術思想において相反するところがあるといわなければならない。特許出願人は、こうした思想に基づいて、 (従来の2層に代えて)単層にした巻線群内で、互に逆の極性を有する2個のコイルがnを小さな正の整数として約(2n+1)×180°電気角となるように配設されること という構成を採用し、これにより、 (i)従来のブラシレス直流モータが有する小型軽量の利点を損なうことなく、漏洩磁束を低減することによって基板の配置に自由度を持たせる、(ii)より小型化を図るとともに、(iii)より正確な回転制御及び低雑音化を可能とし、(iv)ロータの一様でスムースな回転を図るという作用効果を達成したのであり、従って本願発明の進歩性を否定した審決には誤りがあります。 |
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